2023年、群馬トヨタ自動車の
エンジニアウェアが生まれ変わった。
コーポレートカラーのボルドーを中心にした
スタイリッシュなデザインに一新。

〝エンジニア=つなぎ〟という
既存のイメージから脱却し、
作業効率や安全性の向上にも配慮するなど、
新たな挑戦を続ける群馬トヨタを
象徴する一着となりそうだ。

オリジナルユニフォームの開発に協力した
「洋服の青山」(青山商事)の
佐川浩次法人部部長と
群馬トヨタの横田衛社長に、
開発への思いを聞いた。

―ユニフォーム製作の
きっかけは。

横田  創業以来、エンジニアのユニフォームと言えば、つなぎというイメージが浸透していました。 世の中はさまざまな物事が進歩している中で、つなぎはずっと進化せず、夏は暑く冬は寒いという環境の中で作業をしていました。 社としてエンジニアの職場環境の改善が進み、作業環境は整ってきたのにユニフォームだけが変わっていないことに疑問を感じていました。 エンジニアは当社の看板職種です。エンジニア不足が業界の課題でもあり、若い世代が憧れるユニフォームに変えていきたいと思ったことがきっかけです。 エンジニアの仕事も昔とは変わってきています。以前は油まみれになったりすることもありましたが、現在はコンピュータを用いた診断が主な仕事になっています。 汚れる前提のユニフォームが必要なくなったことも理由の一つです。

佐川  当社は全国でたくさんの企業や学校でユニフォーム作りに携わらせていただいています。そこで得たネットワークから群馬トヨタさまをご紹介いただきました。 横田社長の思いを聞き、「良いものを作らなければ」という使命感を持って、ユニフォームのアイデアをプレゼンさせていただきました。

横田  さまざまな企業とお話をさせていただいた中で、青山商事さまのプレゼンに最も心を動かされたことが決め手でした。 想像以上の熱意を込めていただきました。弊社も営業関係の会社なので、プレゼンを見て青山商事さまの思いがよく伝わってきました。

佐川  初回のプレゼンから横田社長に同席していただき、緊張の中でお話させていただきましたが、私たちの思いを高く評価していただき、非常に光栄です。

―ユニフォームのこだわりは。

横田  最も力を入れたのは、つなぎタイプじゃなくて、上下が分かれているセパレートタイプにしたことですね。 エンジニアからも意見を聞き、より快適で作業がしすいよう工夫しました。 色についてもこだわり、当社のコーポレートカラーであるボルドーを中心に、汚れが目立ちにくい黒を多く使用して落ち着いた印象に仕上げています。 ラフ画やデザイン画を見せてもらった時に、レーシングスーツのようにスタイリッシュで素晴らしいと思いました。期待以上のものを作っていただきました。

佐川  デザイン性と機能性、どちらも一切妥協せず追求しました。デザイナーと話し合い、納得できるまで何度も何度もラフ画を作り直しました。 店舗に足を運んで実際にエンジニアの方の仕事を見学したり、横田社長に現場の意見をヒアリングしてもらったりしてアイデアを練りました。 デザイン画は自動車のシャープでスマートなイメージを具現化し、従業員さまのご意見を最重視して細かな部分にまで反映しました。 着心地を向上させるだけではなく、製作に関わっていただくことでより一層愛着が湧くユニフォームになると考えたからです。

横田  私もイベントなどでエンジニアユニフォームを着ることがあったのですが、つなぎのユニフォームは夏は暑く冬は寒い上、濡れると重さが増してなかなか乾きませんでした。 今回は生地にもこだわって、軽くて温度調整がしやすく、乾きやすくなっています。つなぎは汚れても良いと考えがちでしたが、エンジニアも店舗でお客さまと接する仕事です。 綺麗な服装の方がお客さまの印象も良いですよね。スタイリッシュなユニフォームになって、そういった意識を変えるきっかけにもなったと思います。

佐川  私は学生時代にガソリンスタンドでアルバイト経験があり、つなぎを着た経験もありますが、当時は重くて動きにくい印象でした。 現在のエンジニアウェアは軽くて着やすい仕様に改良されていますね。今回製作したユニフォームは仕事の効率も上がる仕様になったと思います。 若い世代がこのユニフォームに憧れて「群馬トヨタさまに入社したい」と思ってもらえるようなデザインになっていたら嬉しいですね。

―お客さまに製品やサービスを
提供する企業としてのこだわりは。

横田  お客さまに提供するサービスのクオリティを大切にしています。今回撮影をしているトレーニングセンターは、そうしたサービスの質を担保するための施設です。 資格の取得や研修に力を入れ、求められる基準を上回る技術を身に付けてもらっています。 お客さまのご要望に応じてさまざまなカスタムができるという点で、布の選択や裁縫技術など、総合的に服をプロデュースする青山商事さまと共通する点もあると思います。

佐川  ユニフォーム製作については、着用される従業員の皆さまを第一に想像しながらモノづくりを行っています。 当社からの一方的な提案ではなく、企業さまの考えやポリシー、課題の解決も含めてデザインや仕様を考え、以前よりも快適なユニフォームを製作することにこだわっています。 働く時間を快適かつ格好よく過ごせるよう、お手元に届けることを大切にしています。

―今後の展望は。

横田  自動車販売店が多くある中でお客さまに選んでいただくためには、販売やメンテナンスなど一つ一つの仕事の質が大切です。 お客さまのご要望に合わせて理想の1台をご提案することは簡単ではありませんが、「車を買うなら群馬トヨタ」「群馬トヨタで買ってよかった」と言ってもらえるように努力しています。 当社の販売エリアは群馬県内のみです。地域貢献にも力を入れ、群馬の皆さまのためにどれだけ貢献できるかを大切に考えています。 また、生まれ変わったユニフォームが群馬トヨタの新たな顔として、県民の皆さまに親しんでもらえたら嬉しいですね。

佐川  各販売員がこだわりを持ってお客さまにとっての理想の1着をご提案するという点は、群馬トヨタさまと共通していると思います。 当社は「持続的な成長をもとに、生活者への小売・サービスを通じてさらなる社会への貢献を目指す」という経営理念の下、「働く人のために働こう」とする青山マインドを掲げています。 “働く人”を応援し社会を明るくする、その一翼を担っていきたいと考えています。

―異業種とのコラボで
新たなユニフォームが誕生した。
協業による可能性が広がっている。

横田  すでに次の取り組みとして、青山商事さまにネッツトヨタ高崎のエンジニアユニフォームの製作もお願いしています。 それから、私たちが最も社会から求められているのはSDGsへの取り組みです。再利用など環境へのインパクトを考えなければなりません。 自動車に関するリサイクルはすでに進めていますが、ユニフォームについては当社だけでは対応できません。 なので、また青山商事さまと協力し、何らかの形で再利用する道を探っていければと思います。

佐川  これまでは青山といえばビジネススーツのイメージがあったと思いますが、今後はさまざまな「働く人」のために力を尽くしていきたいと考えています。 ユニフォーム業界では当社はまだまだ新参者ですが、今後は地域の皆さまに「ユニフォームといえば青山」とご支持いただけるよう努力し続けます。 また、今回のユニフォームについても原材料に再生ポリエステルを使い、資源の循環を前提に設計しました。 環境や社会課題の認識と解決のためにSDGsを重要視し、より一層サステナブルな社会の実現に向けて取り組んでいきます。

1975年~1987年

2代目

さわやかなブルーデザインに袖の2本ラインが特徴
袖のチャックで解放感があり夏場は涼しく過ごせる工夫がされている。

1988年~2000年

3代目

通称「からし」と呼ばれた黄色いデザイン
背中(腰)部に切り込みが入っており、かがんだ時のつっぱり感が低減される工夫がされている。
軽微なモデルチェンジを繰り返し長く採用されたモデル。
生地が丈夫で耐久性があった。

2001年~2005年

4代目

ポリエステル繊維にリサイクル素材(ペットボトル)が利用される。
洗濯の乾きは良いが、夏場は熱がこもり暑かった。
夏場はサロペットタイプも採用された。

2006年~2017年

5代目

各チャネルカラーが採用され販売店ごとに色が変わるデザインに。
トヨタ店は、白を基調としチャネルカラーのボルドーカラーを採用したエンジニアウェア。 通気性がよく、生地も丈夫であった。

2018年~2022年

6代目

ボルドーカラー割合が増え、足元は黒色を多く採用し足元が引き締まったデザインに。
夏・冬に加えスーパークール(夏)が採用される。
SDGsワッペン追加

2023年~

現行

つなぎタイプから上下セパレートタイプのエンジニアウェアに一新。デザイン性、機能性を併せ持つ新しいエンジニアウェアに。